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財務・会計用語集

銀行勘定調整

銀行勘定調整とは?

銀行勘定調整は、企業や組織の内部統制を担保する経理処理の重要なステップです。企業は、銀行勘定調整によって企業の預金勘定の残高と銀行残高証明書との間に、ヒューマンエラーや取引のタイミング、不正など原因を問わず差異が生じていないかを確認し、不一致があった場合に原因を確認し、必要に応じて残高を調整することによって、貸借対照表上の預金勘定の残高を実証します。

この確認と調査、調整の一連のプロセスを銀行勘定調整といい、経理部門は銀行勘定調整表を作成し、預金勘定の残高と銀行残高証明書の整合性を確認します。ほとんどの銀行は、デジタルテクノロジーを用いて口座と取引を効果的に管理していますが、様々な理由からエラーや差異が発生することもあります。

そして、すべての銀行が、通常は月次ベースで顧客の口座の残高証明書を紙やデータで提供し、必要に応じて取引明細書を紙やデータで提供しています。この残高証明書には、企業がその銀行に保有する預金の口座別の残高が記載され、取引明細書には当月のすべての入出金明が記載されています。これら銀行が提供するデータは、基本的に極めて正確ですが、銀行か企業いずれかの側にエラーが起きる場合もあります。

例えば、銀行と企業の取引記録は同期していないため、人為的なミスが起こることがあります。銀行が記録した出勤や入金が、企業の会計システムに仕訳入力されていない可能性もありますし、逆に、銀行がまだ処理していない取引を、企業が仕訳入力している場合もあります。企業は預金勘定と銀行残高を定期的に照合することで、こうした差異を把握し、貸借対照表に正確な預金残高を反映させ、その差異が他の目的に利用されないようにする必要があります。

銀行勘定調整はどのように活用されるか?

銀行が明細書を作成して口座の全取引を記録するように、企業も全ての取引を総勘定元帳に記録しています。現預金の収支は総勘定元帳の補助簿である現預金出納帳に記録されますが、これには銀行口座の入出金が含まれます。

財務諸表の真実性を担保する上で、銀行勘定調整によって銀行の口座と企業の帳簿上の預金残高の整合性を確認することはとても重要です。銀行勘定調整では銀行口座の残高証明書と帳簿残高を比較し、差異が発生している場合には取引明細書と預金の入出金の仕訳明細を照合して差異の原因を特定します。

照合によって、企業が未計上の取引を発見する場合があります。例えば銀行は、口座の維持管理料やサービス手数料、ATM手数料、延滞料などの様々な手数料を課すことがありますが、企業がこれらの手数料の計上を漏らしている可能性があります。手数料と同様に、銀行は、当座勘定の引き出し超過、不渡り、譲渡性預金の期日前解約などに対して一定のペナルティを課す場合がありますが、これらも企業側が計上していない可能性があります。

銀行勘定調整でこうした取引の計上漏れを確認し、該当する会計期間に修正仕訳を入力し、銀行口座の残高と貸借対照表の預金勘定の残高を一致させます。

最後に、銀行勘定調整は不正を防ぐ重要な内部統制手段です。銀行勘定調整を通じて、簿外取引などの不正行為に起因する差異を発見し、その影響が広がって修正が困難になる前に適切な是正処置を講じることができます。

FAQ(よくある質問)

銀行勘定調整は、どのように行うのですか?

銀行勘定調整処理には、次の手順が含まれます。

  1. 企業が保有する銀行口座の残高証明書と取引明細書を入手する
  2. 銀行勘定調整表を作成し、銀行口座の残高と帳簿上の口座別の預金残高を比較する
  3. 差異がある口座について、銀行の取引明細書と預金勘定の仕訳明細を照合し、差異を特定する
  4. 企業側に計上漏れの取引がある場合は、修正仕訳を入力する
  5. 時間外預入などにより銀行側で記録されていない取引の場合は、銀行勘定処理表の銀行残高を修正し、その理由を記載する
  6. 修正仕訳の入力後の預金勘定の残高と銀行残高証明書を比較し、一致していることを確認し、銀行勘定調整表を調整する

銀行勘定調整はなぜ重要なのですか?

財務諸表の真実性を担保する上で、銀行勘定調整によって銀行の口座と企業の帳簿上の預金残高の整合性を確認することはとても重要です。銀行側がまだ記録していない取引を、企業が仕訳しているかもしれません。逆に銀行が記録している取引を、企業が見落としている可能性もあります。

銀行勘定調整は、こうした差異の修正に役立ちます。銀行勘定調整によって企業の財務記録の整合性を確認し、場合によっては、銀行側のエラーを発見できます。照合によって、企業が未計上の取引を発見する場合があります。例えば銀行は、口座の維持管理料やサービス手数料、ATM手数料、延滞料などの様々な手数料を課すことがありますが、企業がこれらの手数料の計上を漏らしている可能性があります。

銀行勘定調整でこうした取引の計上漏れを確認し、該当する会計期間に修正仕訳を入力し、銀行口座の残高と貸借対照表の預金勘定の残高を一致させます。また、銀行勘定調整は、不正を発見する上で特に重要な手段です。照合を通じて、小切手の金額改竄や簿外での預金の引出しなどの不正行為を発見できます。

銀行勘定調整は、どれくらいの頻度で行いますか?

基本的には月次で行いますが、企業が保有する口座の数や取引件数に応じて、週次や日次で実施する場合もあります。特に内部統制目的においては、短サイクルで実施することが有効ですが、業務負荷を考慮し、特定の口座に限定しての実施やデジタルテクノロジーを活用した自動照合などの対策を講じる必要があります。

正確で効果的な勘定調整処理

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