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ブラックライン、日本企業における「企業成長とガバナンスを支える経理部門のDX推進と人材の実態と課題」に関する調査結果を発表

ブラックライン、日本企業における「企業成長とガバナンスを支える経理部門のDX推進と人材の実態と課題」に関する調査結果を発表

M&Aなどによる企業成長や多拠点化が進み、不適切会計のリスクが高まる中、 74%が「経理人材の不足」を実感、経理人材の定着・確保には「生産性向上」が影響

経理業務変革プラットフォームを提供するブラックライン株式会社(日本法人:東京都港区、代表取締役社長:宮﨑盛光、以下「ブラックライン」)は2022年5月に一般社団法人日本CFO協会(本部:東京都千代田区、理事長:藤田純孝、以下「日本CFO協会」)の会員を対象として「企業成長とガバナンスを支える経理部門のDX推進と人材の実態と課題」に関する調査を実施しました。

本調査は、将来の予測が困難なビジネス環境における、日本企業の経理部門の現状と課題意識を把握することを目的としています。昨今増加する不適切会計と、企業成長のためのM&A増加や海外拠点の増加は表裏一体の関係にあり、不正を排除しながら成長を加速するためには、優秀な経理人材の獲得と仕組みの整備が重要です。しかし、調査の結果からは、回答者の74%が自身の所属する経理部門において「経理人材の不足」を実感していることが明らかになり、優秀な経理人材の獲得に課題があることが分かりました(Q1)。一方、48%が経理のキャリアにおいては「経理として数字をまとめる仕事よりも数字を活かす仕事に注力できる」ことを重視していることが明らかになり、経理部門の生産性を高めることは経理人材の定着・獲得において重要であり、不適切会計を回避してガバナンスを高めることに繋がる示唆を得ました(Q2)。

調査結果と考察

<経理業務における生産性の課題>
「自社の経理財務部門は生産性高く業務できていると思いますか?」の質問に、64%が否定的な回答
「自社の経理財務部門は生産性高く業務できていると思いますか?」と質問したところ「あまりそうは思わない46%」、「そう思わない18%」と合わせて64%が否定的な回答となりました(Q3)。「そう思う4%」「まあそう思う29%」と肯定的な回答のあった33%の回答者に、追加で「なぜ生産性高く業務ができていると思いますか?」との質問をすると、最も回答数が多かった項目は「改善活動に継続して取り組んでいる56%」が、ペーパレスや業務プロセスのデジタル化が進んでいることよりも上回りました(Q4)。この結果から、そもそも生産性向上のための“改善活動を継続して行う余力”を生み出していることが鍵であると分かりました。

<経理業務における人材の課題>
58%が経理部門の人材の流動化を実感。30代以下の若手では半数以上がすでに2社以上を経験
「経理財務部門において、人材の流動性(異動・転職)が高まっていると思いますか?」と質問したところ「若手・中間層のみ高まっている34%」、「若手のみ高まっている18%」「中間層のみ高まっている6%」と、合わせて58%が人材の流動性が高まっていると回答しました(Q5)。「あなたが現在勤める企業は新卒から数えて何社目ですか?」と質問すると、2社以上経験している割合は20代では24%ですが、30代では55%と倍以上に上昇しました。さらに40代以上では68%となることから、若手時代から企業側が定着のための努力を行わなければ、容易に経理人材が離れてしまうことがうかがえる結果となりました(Q6)。

49%
が経理キャリアにおいて「経理として数字をまとめる仕事よりも数字を活かす仕事に注力できる」ことを重視
「ご自身が経理財務として働く組織を選ぶ上で、重視することは何ですか。(複数回答可)」という質問に対しては「給与水準62%」、に次いで、「経理として数字をまとめる仕事よりも数字を活かす仕事に注力できる48%」の項目が多いことが分かりました(Q2)。これは年代別に見ても大きな傾向値の差はなく、若手・中間層ともに、数字を締めるだけに多くの時間を消費するような業務のやり方から脱却し、経営支援や事業部支援などにおける分析・提案といった、数字を活かせる業務に魅力を感じる経理人材が多いことが明らかとなりました。この結果から、従来から生産性の改善は継続的な課題テーマではありますが、経理人材を獲得するためにも生産性向上は重要であり、人材不足に密接に関連する課題であると言えます。

<経理ガバナンスの確保について>
CFOや経理・財務幹部、経理担当者の約3割が自社の会計ガバナンス機能に問題意識あり
デロイトトーマツの「企業の不正リスク調査白書」(※1)によると、「20社を超える関係会社または海外関係会社を保有している企業のうち、7割強で不正が発生している」という結果もあり、海外進出やM&Aなどによる企業成長が加速すると同時に、不適切会計のリスクも高まっていることがうかがえます。さらに、コロナ禍を経て人の移動に制 限が発生したことにより、仕組みを活用しないままでは関係会社の状況が可視化されづらい状況が継続していると考えられます。

本調査でも経理ガバナンスの課題について本体・グループ子会社別の問題意識を聞きました。「会計ガバナンスは機能していますか。」と質問すると、本体については「十分とは言えない25%」、「不安がある5%」と合わせて30%が問題意識をもっており(Q7)、その理由として最も多かったのは「手作業が多いため、手続きや確認に抜け漏れのリスクがある66%」でした。(Q8)また、国内/海外グループ子会社についても同様に聞くと「十分とは言えない24%」、「不安がある10%」との結果で(Q9)、その理由として最も多かったのは「月次/四半期での各社からの報告以外に各社の状況を把握する仕組みがない49%」でした(Q10)。ここから、抜け漏れの生じ得ない仕組みや、また各社の状況を把握する仕組みの整備が求められていることが分かりました。この仕組みの整備のためにも、通常業務に追加して改善活動を行うための生産性向上と、それを実行する優秀な経理人材が重要となってきていることが分かります。

<経理部門のDX推進の実際の背景>
経理DXの着手または関心を持つ背景に、1位が生産性、2位が人材不足の対応、3位がガバナンスへの不安
「経理財務部門におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、経理DX)の取り組み状況について、最も近いものを選んでください。」という質問をしたところ、「経理DXに積極的に取り組んでいる19%」「経理DXプロジェクトの具体的なアクションに着手したところ13%」と合わせて32%が具体的なアクションに着手しており、「経理DXの実現手段を検討している25%」という回答も合わせると過半数がDXの必要性を認識していることが分かります(Q11)。

また「DXに取り組んでいる/必要性を感じている背景について貴社の状況に近いものを選んでください。」という質問においては「経営情報の充実や事業支援等に注力するために現行業務の効率化が必要48%」との生産性に関する要因に次いで、「少数精鋭で一人でも不在となると決算全体が止まるリスクがある40%」「手続きの抜け漏れ等のリスクがある36%」「在宅勤務下でも内部統制が担保できる仕組みが必要33%」とガバナンス要因による背景が続きました(Q12)。

※1 : デロイトトーマツ 「企業の不正リスク調査白書」https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/risk/articles/frs/jp-fraud-survey.html

BlackLine導入企業のコメント

株式会社カプコン 管理本部 財務経理部 部長 湯川 直樹 氏
「優秀な人材の定着・獲得のためにも、経理部員の専門性を評価できるよう、
ジョブ型評価の仕組みを構築していく必要があります。」

旭化成株式会社 経理・財務部 経理室(単独経営管理グループ) グループ長 三嶌 晴志 氏
「経理ノウハウを持っていたベテラン世代が退職した後、決算品質の維持をするのには限界が来ています。」

なお、本調査結果については8月24日(水)、25日(木)に開催されるオンラインイベント
「BeyondTheBlack TOKYO 2022」のDay2「最新サーベイから考察 『企業成長とガバナンスを支える経理のDX推進と人材』」
セッションでも解説予定です。

プログラムはこちらから→ https://www.blackline.jp/event/btb-tokyo-2022/

調査結果詳細

<調査の概要>
テーマ:企業成長とガバナンスを支える経理部門のDX推進と人材の実態と課題
調査実施:一般社団法人日本CFO協会
調査協力:ブラックライン株式会社
調査対象:日本CFO協会会員を主体とした日本企業の経理・財務幹部
総回答社数:515社
調査期間:2022年5月17日から2022年6月15日

[回答者のプロファイル]
業種  : 製造業36%、情報・サービス19%、商社・卸売業10%、小売業4%、
運輸・郵便業3%、通信業3%、医療福祉2%、コンサルティング2%、その他21%
従業員数: 5,000人以上28%、1,000人以上23%、500人以上11%、100人以上24%、100人未満13%

Q1 経理・財務部門の人数は適切だと思いますか?(n=401)

Q2 ご自身が経理財務として働く組織を選ぶ上で、重視することは何ですか。
(複数選択可、n=401、回答数上位5項目のみ表示)

Q3 自社の経理財務部門は生産性高く業務できていると思いますか?(n=468)

Q4 なぜ生産性高く業務ができていると思いますか?(複数選択可、n=157、回答数上位5項目のみ表示)

Q5 経理財務部門において、人材の流動性(異動・転職)が高まっていると思いますか?(n=401)

Q6 あなたが現在勤める企業は新卒から数えて何社目ですか?(n=472 [20代25名、30代100名、40代以上347名])

Q7 会計ガバナンスは機能していますか。【本体】(n=406)

Q8 【本体】の会計ガバナンスにおいて「十分とはいえない」もしくは「不安がある」の理由をお聞かせください。
(複数選択可、n=126)

Q9 会計ガバナンスは機能していますか。【国内/海外グループ会社】(n=406)

Q10 【国内/海外グループ会社】の会計ガバナンスにおいて「十分とはいえない」もしくは
「不安がある」の理由をお聞かせください。(複数選択可、n=138)

Q11 経理財務部門におけるデジタルトランスフォーメーション(以下、経理DX)の取り組み状況について、
最も近いものを選んでください。(n=395)

Q12 DXに取り組んでいる/必要性を感じている背景について貴社の状況に近いものを選んでください。
(複数選択可、n=391、回答数上位5項目のみ表示)

ブラックラインについて

ブラックラインは経理業務プロセスの可視化、標準化、自動化、統制強化を実現する経理業務変革プラットフォーム「BlackLine」を提供しています。決算業務を中心に、既存の会計システム等でカバーされないアナログ作業をデジタル化することで、経理人材を膨大な手作業から解放し、戦略的で高度な業務へのシフトを支援します。また如何なる環境でも持続可能かつリアルタイムにグループ全体の経理データが可視化されることで、ガバナンス強化や経営の意思決定の迅速化に貢献します。「BlackLineは」世界130か国以上、3,900社の企業、335,000を超えるユーザーに利用されています。詳しくはwww.blackline.jpをご覧ください。