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財務・会計用語集

勘定照合

勘定照合とは?

勘定照合とは、ある勘定の情報が正確、かつ精密であるかを確認するプロセスです。照合とは、同一の財務取引に対する2種類の異なる参照情報を比較することを指し、勘定照合では、特定の企業の財務情報にこのプロセスを適用します。
勘定取引を照合するために、経理担当者は取引の詳細を、銀行や仕入先などの外部ソースから入手した請求書、領収書、取引明細などが含まれた文書と比較します。
勘定照合は、企業の財務記録の有効性を保証する重要なプロセスとして多くのメリットがあり、企業が以下を行うために活用できます。

・データの入力ミスを発見する
・銀行の取引、手数料、利子のタイミングのずれを修正する
・企業が作成した財務諸表の正確性と有効性を保証する
・不正を発見する
・金融規制を遵守する
・納税申告の準備を適切に行う

勘定照合の方法は?

勘定照合には、いくつかの段階と手順が含まれます。
第一段階として、勘定の期首残高を前期の期末残高と照合して、差異を特定します。
次に、必要な文書を集めて準備します。これには、照合対象となる適切な勘定、および照合を行う期間を特定することが含まれます。借方と貸方が記載されたレビュー期間の勘定元帳に、照合する取引の情報が載っています。
全ての文書が整ったら、勘定チームが全ての借方と貸方を確認し、それらを外部文書に照らして実証し、必要となる全ての修正を実施することを含めたデータ分析を実行します。
最終段階では、全ての文書を保管します。コントローラーまたは経理マネージャーが分析を評価し、全ての残高が一致していること、取引を証明する補助文書が提供されていること、全ての修正が適切に実施されたことを確認します。
花王さま事例 勘定照合.PNG照合にはどのような種類があるか?

勘定照合は、次のように様々な方法で実施されます。

・銀行照合:企業が銀行から受け取る明細書と自社の財務諸表を、照合します
・仕入先照合:仕入先から提供された明細書を、企業自身の買掛金元帳と比較します
・会社間照合:同じ親会社の傘下にある部門、部署またはグループ会社間で、明細書と取引を照合します
・業務別照合:在庫・経費照合など、特定の事業部門における勘定照合です
・小口現金照合:小口現金資金の全取引が正確で裏づけがあることを証明します
・クレジットカード照合:購入時の領収書と、カード会社が発行するカード明細書を比較します

よくあるご質問

勘定照合の基本的な2種類の方法とは、どのようなものですか?

勘定照合は、基本的に月次決算などの会計期間末に実施され、締め切られた取引をきちんと検証し、決算明細が正確であることを確認でするために行いますが、その方法には2つの種類があります。

・文書の点検を通じての勘定照合:社内財務記録上の取引を点検し、それらを領収書、請求書、明細書などの元文書と比較することによって照合します。

・分析レビューを通じての勘定照合:履歴分析を実施し、最新データと比較することによって照合します。現在の会計値が、過去データに基づく予測値と大きく異なる場合は不正操作の兆候である可能性もあります。

この2種類の基本的な方法のいずれかを用いて、企業内の多様な文脈で勘定照合が実施されます。
例えば、企業が銀行照合を行う際は、自社の財務諸表を銀行から受け取った記録と比較します。これは、一方には記録があるが相手側には記録がないといった、預金、支払、手数料、利子のタイミングのずれを発見することに役立ちます。

小口現金照合は、小口現金資金が社内のガイドラインやポリシーに従って使用され、全ての取引が領収書や請求書で適切に記録されていることを確認するプロセスです。大部分の勘定照合は、総勘定元帳が企業の財務記録のマスターデータとみなされているため、総勘定元帳を基に実施されます。

勘定照合はなぜ重要なのですか?

勘定照合は、企業の極めて重要な会計機能であり、経理処理における多くの基本的な目標の達成に役立ちます。どんな企業も、見落としや情報不足、重複、その他理由を問わず、銀行口座レベルのデータ入力などのミスを発見しなければなりません。

また、勘定照合は、不正の発見にも役立ちます。どんな企業も、悪質な従業員、サイバー犯罪、不誠実な顧客、仕入先などから被害を受ける恐れがあります。勘定照合を行うことにより、小切手の二重払い、クレジットカードの不正利用、請求書改ざんなどのよくある手口を発見し、不正行為を未然に防ぐことができます。

勘定照合は、財務諸表の正確性と有効性を保証するために重要なプロセスです。
一つひとつの取引が企業の作成する財務諸表の土台となるため、企業にとって財務諸表の作成を求められる前に、全ての取引を検証することが不可欠です。

米国では、勘定照合は連邦政府が定めるサーベインス・オクスレー法(SOX法)に基づき証券取引委員会(SEC)が適用する規則を企業が遵守する上で、欠かせないツールです。世界のどこであれ、企業は現地のあらゆる法律・規則を遵守する必要があります。

そして最後に、税務申告の準備が必要です。BlackLineが提供する勘定照合機能を通じて、ミスをなくし正確な申告書類を作成することが可能になります。

■参考記事:決算業務における勘定照合とは

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