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BlackLine Summit 2026ーBlackLineで進化するグローバル財務経理:エクソンモービルの実践から学ぶ

「BlackLine Summit 2026」レポート

2026年2月25日(水)、ブラックライン株式会社主催による「BlackLine Summit 2026」が東京ミッドタウンで開催され、会場には多くのCFOをはじめとした経理財務の業務に関わる方々にお越しいただきました。 

イベントレポート第二弾となる今回は、BlackLine Inc. SVP, Finance Solutions & TechnologyのMichael Polahaによる講演の紹介です。 

1.経理財務担当者の視点から語るBlackLineの価値 

BlackLine Summit 2026_7834.JPG今回登壇したPolahaは、かつてジョンソン・アンド・ジョンソン(以下、J&J)で財務ソリューション&テクノロジー担当上級副社長を務めていた経験を持ちます。 J&J在籍時には、5,000人規模のユーザーが利用するBlackLineを導入・運用し、25ものERPと連携させるなど、大規模かつ複雑な環境での活用を主導してきた経験を持ちます。まさに、BlackLineを「使う側」としてその価値を熟知する第一人者と言える存在です。 

Polahaは、戦略や思想を語った先のJeremyとは対照的に、「CFO組織の現場でいかに価値を定義し、どのようにビジネスへ貢献するか」という実務視点から登壇。自身の経験をもとに、BlackLineがなぜ次世代の経理財務アーキテクチャーにおいて不可欠な存在となるのかを、具体的に紐解きました。 

2.SAPとBlackLineの特別でユニークな関係 

まずPolahaが強調したのは、BlackLineとSAPとの密接なパートナーシップです。この関係は単なる協力関係に留まらず、SAPがBlackLineをSAP Solution Extensionsとして公式に認めていることが特筆すべき点だということです。 

SAP自身が自社で機能を構築するのではなく、BlackLineを戦略的パートナーとして選んだ背景には、BlackLineが持つ独自の専門的な知見と機能への高い評価があります。両社の連携においては、以下の厳格な条件が維持されています。 

  1. 開発基準の統一
    BlackLineのテクノロジーやコードは、SAPの自社開発製品と同じ要件・基準で事前に承認を得る必要があります。
  2. シームレスなアップデート
    SAP側がシステムをアップグレードしたり、パッチを配布したりしても、BlackLine側で問題なく動作することが保証されています。
  3. 共同ロードマップ
    Polaha氏は毎年ドイツのSAP本社を訪問し、将来的な投資や共同のロードマップ策定について議論を重ねています。

こうした関係はSAPユーザーに限らず、他のERPを利用しているユーザー企業にとっても、堅牢なエコシステムの恩恵を受ける基盤となっています。 

3.ERPの「空白地帯」を埋める:エンドツーエンドの自動化 

多くの企業がERPを導入すればすべての課題が解決すると考えがちですが、現実は異なります。ERPの周辺、特に決算業務には、ERP内にはデータが存在しない、あるいは標準機能で はカバーできない領域が多く存在します。 

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BlackLineは、この空白地帯で行われているマニュアル作業をデジタル化し、記録から報告までのプロセス(Record to Report)をエンドツーエンドで自動化することを目指しています。

現在、経理財務部門は以下の深刻な課題に直面しています。 

  1. 人材不足
    経理財務業務に携わる若者が減少しており、業務負荷の増大が大きな課題となっています 。
  2. データの不正確性
    多くのCFOが、ビジネスの実態を捉えきれない不正確なデータや、タイムリーな経営レポーティングが行えない状況に悩まされています。
  3. コスト削減の圧力
    より少ない人数で、より早く、より低コストで決算を完了させることが求められています。

BlackLineは、これらの課題を「データの質」の向上と「プロセスの自動化」によって解決します。IDCの調査によれば、SAPとBlackLineを併用することで、仕訳入力の日数短縮や承認時間の削減、データの信頼性向上など、劇的な効果が得られることが証明されています。 

4.成功事例:エクソンモービルのトランスフォーメーション 

セッションの後半では、世界最大級のエネルギー企業であるエクソンモービルの事例が紹介されました。 

「私たちは最近、BlackLineという経理業務のプラットフォームの本格導入を完了しました。 
これによりこれまで非常に多くの時間を費やしていた手作業がなくなった結果、
文字通り数万時間もの工数を削減することに成功したのです。」 

- Kathryn Mikells CFO, ExxonMobil 

これはエクソンモービルのCFOが決算発表の際に発したコメントです。 

エクソンモービルは、11の異なるERPを単一のSAP S/4HANAへ統合する壮大なプロジェクトの途上にあり、経理オペレーションを標準化するソリューションとしてBlackLineを採用しましたが、特徴的なのは、同社がS/4HANAの導入完了を待たずにBlackLineを先行して導入したことです 。 

これには、以下の狙いがありました。 

  1. 財務データ品質の先行改善
    ERPの移行前にバランスシートの質を高め、数百万件に及ぶオープンアイテムをクリーンにすることで、S/4HANAへの移行をスムーズに進めるシナジー効果を生みました 。
  2. データ基盤整備における戦略的な成果
    決算サイクルを短縮し、より良いデータを早く入手することで、事業部門へのフィードバックを加速させ、AI時代の予測アルゴリズムに耐えうるデータ基盤を構築しました。

5.BlackLineが提供した価値 

エクソンモービルが11ものERPを統合し、先進的な経理財務オペレーションを実現する上で、BlackLineのソリューションが幅広く活用されました。

  • タスク管理
    約24,000にも及ぶ決算タスクについて、月次決算の進捗モニタリングとワークフローを統合し、効率化。
  • 勘定照合
    約69,000の総勘定元帳を管理。SharePointやExcelによる属人的な管理から脱却し、グローバルで統一されたプロセスとリスクの重要度に応じた勘定照合基準を導入。
  • 仕訳入力
    ERPの種類を問わず仕訳の計上から承認までのプロセスをグローバルで統一。重要性の閾値をシステムで制御し、手作業での例外的な判断を排除。
  • 関係会社間取引管理(Intercompany)
    38年間利用されてきた独自開発のメインフレームシステムを刷新し、重要性の低い取引にまで多大な手作業が発生していた状況を抜本的に改善
  • マッチング
    グループ会社間の炭化水素取引において約95%の照合率を達成。銀行口座残高照合では、約80%の自動承認を実現。

6.エクソンモービルが達成した具体的な成果

  1. 大幅な工数削減
    BlackLine 導入により数万時間もの時間が削減され、200人以上のリソースをより付加価値の高い業務へシフトさせることが可能になりました 。
  2. プロセスの統合
    100以上のデータソースと連携し、20以上のレガシーツールを廃止。ITコストを大幅に削減し、2,300名のユーザーに統一されたインターフェースの提供を実現しました。
  3. 自動化による大幅な業務効率化と決算早期化
    80%の勘定照合の自動化、手作業による請求業務の70%の削減、95%以上の関係会社間取引仕訳の自動計上、100万件以上の手入力仕訳の簡略化など、様々な業務プロセスにおいて自動化、効率化を達成し、決算の早期化を実現しました。

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7.さいごに

Polahaは「Fortune10の9社、Fortune100の7割の企業がBlackLineユーザー」という事実を挙げ、BlackLineがデジタル変革を支援する確固たる実績を持っていることを強調し、BlackLineは、SAPをはじめとする既存のアーキテクチャーと柔軟に連携し、これからも経理業務の変革を支えていくという決意を示し、講演を締めくくりました。 

<スピーカー> 

BlackLine Summit 2026_7935.JPGMichael Polaha
SVP, Finance Solutions & Technology 
BlackLine Inc. 

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