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NIKEはBlackLineでどのように決算プロセスを変革したか

誰もが知るグローバル企業であるNIKE社は、BlackLineのユーザー企業です。本ブログでは、2019年9月に公開されたBlackLineマガジンの記事より、NIKE社がどのようにBlackLineで決算プロセスを変革したのか、ご紹介させていただきます。

NIKEはBlackLineでどのように決算プロセスを変革したか

NIKE のミッションは、世界中のすべての人にインスピレーションとイノベーションをもたらすことであり、そのために「革新的であること」、「持続可能であること」、「創造的で多様な人材を擁すること」、「前向きでインパクトのある組織であること」という 4つの柱を中心に据えて活動しています。

NIKEの経理財務部門が、販売の監査プロセス、支払の検証プロセス、受注から入金までのプロセス(Order to Cash、以下O2C)の変革を決定したときも、彼らはこれら4つの柱を計画の基礎としました。

BlackLineのイベントで、NIKEのコンシューマー・ダイレクト・ファイナンス・チームのグローバル・プロダクト・マネージャーであるクリス・ベルトラン氏は、彼らのトランスフォーメーション・プロジェクトと、BlackLineのソリューションを活用したこれまでのエキサイティングな成果について語ってくれました。

クリスによると、NIKEはこのプロジェクトを始めるにあたり、5つの重要な課題を解決することに集中したといいます:

  • リテール業界のO2Cにおける会計プロセスの最適化
  • 取引量が増加する中でデータ処理に費やされる膨大な時間
  • 原因の特定と対処が困難なエラーや異常値と、トランザクションの欠落
  • 経理財務の現場にプロセスの改善に取り組む余力が無いこと
  • 様々なソースデータとの詳細な確認を要する煩雑な照合業務

ソリューションの選択

クリスのチームは、これら5つの課題にどう対処できるかを基準として、様々なソリューションを評価し、最終的にBlackLineを選択しました。

また、NIKEはグローバル企業として、複数の通貨やコード(記号)に対応し、プロセスが標準化されていない海外子会社のちょっとした違いにも対応できるプラットフォームを必要としていましたが、BlackLineであれば、より標準化されたグローバルなアプローチを提供できると判断しました。BlackLineのスケーラビリティや、他のプラットフォームとの柔軟な連携機能の他、BlackLineがすでにクラウド型の経理財務のオペレーションプラットフォームのリーダーであるという事実にも魅力を感じたといいます。

もうひとつ大きなポイントが、BlackLineがSAPとパートナーシップを結んでいるということです。NIKEはすでにSAPを利用しており、SAPのプラットフォームやモジュールと統合し、より包括的なソリューションを提供するツールであることが重要でした。そして現在、SAP S/4HANAへの移行を進めている同社は、BlackLineの勘定照合マッチングの2つのモジュールを活用しています。

段階的な導入アプローチ

NIKEは、crawl-walk-run-sprintアプローチ(※)でBlackLineを導入し、さまざまなビジネスユニットや地域に段階的に展開していきました。

クリスは次のようにコメントしています。

「私たちは今、BlackLineを世界中に展開し、定着させようとしています。NIKEはグローバルにビジネスを展開しているので、グローバルに対応できるツールとプロセスであることが重要です。」

「私たちはBlackLineの拡張も検討しており、現在はBlackLineの勘定照合・マッチングの導入とSAPとの統合を進めていますが、次の目標として仕訳入力モジュールの導入を計画しています。」

「BlackLineは従来の勘定照合プロセスが抱えていた課題を解決し、マッチングモジュールによる照合差異の調査と分析は、財務諸表の正確性や完全性の確保に貢献しています。」

※Crawl(這う)-Walk(歩く)-Run(走る)-Sprint(疾走) アプローチ:
大きなプロジェクトを進める際に、一気にすべてに着手するのではなく、段階的にアプローチを進化させるという考え方。最後のSprintの代わりにFly(飛ぶ)を使う場合もあります。

BlackLineの導入効果と即効性

NIKEはすでにインパクトのある成果を得ています。複数の地域にBlackLineを導入したことで、各地域のプロセスが標準化されました。BlackLineをより詳細な粒度で導入することで、売上処理の抜け漏れをチェックするプロセスも構築できるようになりました。

同社は、売掛金の明細と決済サービスプロバイダーなどから決済データとの自動照合率98%を達成しています。それは、経理担当者が2%の不整合データを特定する作業は不要となり、不整合データの調査に注力できることを意味します。また、売掛金の入金に関する傾向分析と予測分析に必要な可視性を手に入れ、決済代行システムやクレジットカード会社、決済サービスプロバイダーに関連する取引手数料の可視化も可能になりました。

成功のキーポイント

クリスは自分たちのプロジェクトの成功のキーポイントについて次のように語っています。

「私たちの経験から言えることで最も重要なことのひとつは、リテールビジネスを理解し、データの中身を理解することです。」

「リテールビジネスのO2Cの会計プロセスを最適化するために、私たちは非常に詳細なデータレベルにまで踏み込んでおり、そのデータの内容を把握していなければ、例外的な取引や不整合データを効率的に管理するプロセスを構築しても、そのメリットを最大限に享受することができないと考えます。」

「データに精通していなければ、たとえ詳細なレベルで照合差異のデータを可視化できたとしても、自分が何を見ているのかわからないかもしれません。そのため、高い自動照合率と効果的な差異分析のプロセスを得るためには、データを知ることが重要だと思います。」

※ここまでの内容は、本社が発表した記事の日本語翻訳版となります。原文はこちらをご覧ください。

最後に~現在のNIKEの経理財務部門~

最後に、2023年9月26日に実施した海外先進事例WebinarでNIKE社の現在の経理財務部門の様子が語られた様子をお伝えします。

現在ではBlackLineがグローバルに展開され、仕訳入力と差異分析のモジュールを追加導入されており、大幅な業務の効率化とグローバルでの標準化が実現した結果、以下のような成果が得られています。

  • 照合処理の98%を自動化、担当者は2%の例外処理の分析に注力
  • BlackLineで処理するデータの粒度を深めた結果、リテールビジネスのトレンド分析や業績予想に必要な可視性が向上
  • よりインパクトのある仕事に注力できるようになり、従業員のワークライフバランスやワークエンゲージメントが向上

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