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日本の経理財務トップが抱える共通課題とは(イベントレポート)

ブラックライン株式会社は、2022年6月3日、都内ホテルにてCFO・経理財務の部門長の方を対象としたラウンドテーブルを開催しました。本レポートではその要旨のみとなりますが、模様をご紹介できればと思います。

CFOが抱える3大課題

ゲストとして、ボストン コンサルティング グループ パートナー & アソシエイト・ディレクター/日本CFO協会 主任研究委員 日置圭介氏、そして株式会社東芝 社外取締役/東京都立大学大学院経営学研究科 特任教授/元デュポン株式会社 CFOである橋本勝則氏にお越し頂きました。テーマは「生産性向上、ガバナンス強化、人材確保」3点の課題。これらを如何にクリアすべきか、各社が活発に意見交換する場となりました。まずゲスト講演の中ではグローバル企業がこの3点についてどのように取り組んでいるのかフレームワークをお話頂きました。

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計測可能にすることが生産性向上へのスタートライン

経営というのはリソースアロケーションの連続ですがそのリソース自体を数えられないと、何を根拠にアロケーションを行うのかが決められません。そのため計測可能にすることが経営の基本です。

POINT

  • 世界中のキャッシュを数えられるか?
  • 世界中のタレント(どこにどのような能力の人材がいるか)を数えられるか?
  • 自社の方向性を明確に示すことができるか?

計測ができるからこそ、自社の方針に合わせてどこにリソースアロケーションするのかが決定可能になります。そして計測することは、マニュアルでは時間のかかる領域なのでシステムに頼らざるを得ません。グローバル企業の特徴として、IT活用が進んでいるだけでなく、意識改革も合わせて徹底されている、という点も挙げられました。投資したからには使い切り、使い切るためには人に投資を行う必要があります。

若く優秀な経理人材の育成・活用のポイントとは

POINT

  • 人の成長だけでなく組織も成長する
  • 世代間のギャップがあることを意識する
  • 若く優秀な人を惹きつける

の3点がポイントとして挙げられました。

どんなに綺麗なオフィスであっても、紙やハンコにあふれたアナログ業務を行うことは若手にとってはある意味「ブラック職場」。若い人が思い切り仕事ができる「手を動かすのではなく、頭を動かす環境づくり」が必要だと強調されました。

さらに上司が若手に経験を伝えるだけでなく、逆に若手の意見を聞く機会を持つことで、最新のツールや活用方法を聞けば新しいビジネスが生まれるかもしれません。そのためには上司と部下を“上下の関係”と捉えるのではなく、マネジメントと実務の役割分担として捉える必要がある点についてふれられました。

人材育成の具体的な施策としては、若手のキャリアや今後やりたい事について聞くOne on One実施の重要性、そのような取り組みに力をいれていることを社員に見せていくこと自体もポイントで、これによりOne on Oneの対話の内容が充実化すること。また、他の案として、内部監査室に若手をアサインすることで、早期にシステムと社内の業務全体が理解できるのでお薦めである、というようなご意見も頂きました。

各社の人材育成・活用の共通の悩み

参加者の皆様によるグループディスカッションでも、生産性、ガバナンス、人材の中で、人材育成・獲得の話題が多く、以下のようなテーマについて意見交換がされました。

  • 人材不足により、経理人材を中途採用すると事業が分からないが経理については分かる、という人材が増えるので、そういった方を如何に既存の社員と融合させるべきか?
  • どれだけツールやデジタルなどハードを整えてもそれを活用する人のマインドがなかなか変わらないがどうすべきか?
  • 社員の高齢化により今後10年で経理人材が大量に退職することが始まるのでそれにどう対処すべきか
  • 優秀な若手を育成できる人材がいるのか?まずはロールモデルとなる人材を作る必要がある?
  • 良い仕事をする人はとがっている人が多いので、そのような人が評価される環境を作るには?

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業務のピークを如何に平準化するか?

他に、人材活用に繋がる話題として、経理財務の期末集中的な働き方を如何に改善し戦略的業務や改善業務にシフトするべきか?という点で「業務のピークの平準化」がテーマに挙がったグループもあり、外注業者の使い方やデジタルツールの取り入れ方など、各社の対応方法について意見が交換されました。生産性を向上するためには「一生懸命目の前の仕事をする」のではなく「一生懸命楽になる仕組みを作る」というグローバル企業の取組み方が紹介されたのも印象深い点でした。

終了後、参加者の皆様からは「悩みどころが各社同じで他社の取組みについて知ることができる良い機会でした」といったコメントを多く頂きました。ブラックラインは今後も、経営の羅針盤となる経理人材を多く生み出すことをビジョンとして、製品の提供だけでなく、このような皆様を繋ぎナレッジを共有できる場を企画して参ります。参加頂いた皆様、ありがとうございました。

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