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SAP ERPでの『アドオン』から脱却し、膨らむマニュアル経理業務負荷を軽減するBlackLineソリューションとは?

「BeyondTheBlack TOKYO 2022」レポート#11
シリーズ11回目は、ブラックライン株式会社 ソリューションコンサルティング部長 兼 SAP事業推進部長の中原 啓樹による講演です。

ERP導入プロジェクトに当たり、経営・現場・ベンダーの3者がそれぞれ異なるデメリットを懸念し、当初の計画通りに進まないという事態がしばしば見受けられます。このような事態に対し、ブラックラインでソリューションコンサルティング部長 兼 SAP事業推進部長を務める中原が、BlackLineの導入による効果を解説いたしました。

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【アジェンダ】

ERP導入プロジェクトの現状

セッションの冒頭、中原は一般的なERP導入プロジェクトのイメージを紹介。導入コストの大きさや、パッケージに合わせることで現場の業務負荷が上がることを理由に、多くの企業が敬遠しがちという問題点を説明した。このような課題を解消するため、これまで一般的に用いられていたのが既存ERPへのアドオン(追加開発)である。この方法であれば経営側としてはコストを抑えられるうえ、現場としても業務負荷が変わらず、ベンダーとしても自社でしかメンテナンスできない領域を顧客システム内に確保して次のビジネスへ足場を残すことができる。

しかし中原は、「ここ数年の世界情勢の変化やSAP2027年問題、DX化の波などにより、多くの企業がより持続可能性の高い道を選ばざるを得なくなりました」と指摘する。将来的にリスクの少ないITが求められるようになり、個別最適化の最たる例であるアドオンプログラムに向けられる目は厳しくなっているという。

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このような状況に陥ったことにより、多くの企業でアドオンを減らす傾向にある。結果的に現場としては以前まで使えた便利な機能を失って負荷が増大し、経営側としても従業員モラル低下や保守/運用面での中長期リスクが増大。ベンダーとしてもアドオンでの収益確保が難しくなり、顧客が競合他社に乗り換えるというリスクも抱えることになった。

「SAP ERP+BlackLine」の魅力

そこで注目が集まっているのが「SAP ERP+BlackLine」という形態の導入である。中原はこの形態を指し「経営・現場・ベンダーの3者がオールハッピーになれるソリューション」であると強調する。

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この形態であれば、経営側としてはSAP ERPそのものには手を入れず、外付け型で「標準」で機能を補完できるメリットを得られる。また現場としても、SAP ERPの内・外両面で現場業務の標準化・効率化支援を受けることにより、業務量軽減による多様な働き方の実現が可能になる。さらに、ベンダーとしても、すでに出来上がったプロジェクトを導入できることでリスクを軽減し、短期間での実装が可能というメリットがある。

そのようなSAP ERPでの主なアドオン種別は、「Reports」「Interface」「Conversions」「Enhancements/Extensions」「Forms」「Workflow」の6つ。SAP ERPアドオンを制御するBlackLineは、これらをできる限り標準の仕組みで実装しているという特長があるという。

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では、開発対象の各領域でBlackLineはどのように活用されるのだろうか。例えば、一括入力(Interface)の領域では、仕訳入力機能が効果を発揮する。複数伝票の一括計上や、スケジューリングしての自動計上、ユーザ入力をサポートする各種機能などによって、アドオン開発の負担を抑えながらユーザーの利便性を上げることができる。

また、データ移行(Conversions)の領域では、BlackLine勘定照合機能の中であらかじめルールを設定しておくことにより、照合作業の自動化、効率化、確度向上に役立てることができるというメリットが紹介された。

さらに、機能拡張(Enhancements/Extensions)の領域では、突合を例にマッチング機能の利便性を紹介。さまざまな要件についてパラメータを設定することにより、複雑な突合要件を設定して高い消込率を実現できる。人が手作業で対応しなければいけない業務ボリュームを大幅に軽減できるほか、調整仕訳生成等の後続処理の自動化などにも対応可能だ。

帳票(Forms/Reports)についてはレポート機能で貢献できる。あらかじめスケジュール化しておくことにより、自動でERPからのデータ抽出から所定書式での出力が可能になる。

そして、BlackLineのタスク管理や仕訳入力といったそれぞれのモジュールには、ワークフロー機能が標準搭載されている。金額や科目による分岐、多段階代理承認など、ERP標準では開発工数が膨らみがちな承認プロセスも柔軟に設定できることが魅力だ。

BlackLineをいつ導入するべきか

では、このような魅力を持つBlackLineを企業はSAP導入プロジェクトにおけるどのタイミングで導入すべきなのだろうか。

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中原は、SAP導入プロジェクトに先行してのBlackLine導入をおすすめする。「先行して導入することにより、ユーザーにおいて利便性の高い業務領域に早期からBlackLineを活用し、現場での満足度向上につなげることができます。プロジェクトの遅延リスクやコスト高リスクも抑えられ、経営側にも大きなメリットがある方法でしょう」(中原)

実際にBlackLineを導入した某・国内ITサービスCFOの「S/4HANA構築の前に、ERP側でカバーできない業務をBlackLineで事前に手当てしておき、手戻りを発生させないようにすることが重要だと判断しました」というコメントも紹介された。

通常、S/4HANAのプロジェクトは年単位の期間を要する。中原はこのような一大プロジェクトについて、早めに成功体験や効果・実績を積み上げて関係者のモチベーションを継続することの重要性を強調。「S/4HANAの立ち上げを待たずにBlackLineの早期導入・早期活用する『Quick Winシナリオ』をおすすめします」とまとめた。

BeyondTheBlack TOKYO 2022 の3つの基調講演・エグゼクティブ対談をまとめた
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