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グローバル企業における関係会社間取引の課題をBlackLineでどう解決するか?

「BeyondTheBlack TOKYO 2022」レポート#10
シリーズ10回目は、ブラックライン株式会社 シニアソリューションコンサルタント 鍋田 春至による講演です。

多くのグローバル企業はさまざまな潮流の変化に向き合うことが求められています。金利上昇やコロナショックが深刻な影響を及ぼす中、関係会社間取引のリスクは増大する一方で、この困難な課題に対処する際、BlackLineがどのように機能するのかをシニアソリューションコンサルタントを務める鍋田が解説しました。

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【アジェンダ】

業務プロセスの標準化を妨げる原因とは?

鍋田は、現在の関係会社間取引には多くの課題が存在していると語る。例えば、グループ会社がさまざまなERPやフロントシステムを利用して業務を進めているために、グループ全体でオペレーションを標準化できていないというケースが考えられる。このようなケースでは、各社が個別最適なプロセスを敷くことになり、全体を統一して自動化するような施策が困難になる。結果的に非効率な業務プロセスのもと、取引の抜け漏れが発生し、関係会社間取引の債権債務の不都合のような不要な業務に多くの時間を奪われることになるだろう。

もちろん会計上は、連結業務プロセスにおいて関係会社間取引は相殺消去されるためネットゼロになる。しかし、実際に相殺消去によって容易にネットゼロになるケースは稀であり、実際には多数の労力が発生することが多い。また、ネットゼロにするためのアクティビティに多くの時間をかけ、本当に必要な業務に時間をかけないことは不合理だ。

ますます大きくなっていく弊害

一般的に、「関係会社間の取引額=外部への売上高の約10倍」と言われており、企業成長する中で関係会社間取引の量は更に増えると考えられる。鍋田は、このまま増加を放置したり、いずれ解決するに留めて放置したりしている企業に対し警笛を鳴らす。「今後も取引データが増え続けると、業務負荷を増やし経営判断を鈍らせます。手作業での対応は限界を迎えており、早急にシステムを入れて解決する必要があります」(鍋田)。

取引データが増えることの悪影響は、業務量の面だけに留まらない。鍋田は、資金管理の面でも問題があると指摘する。例えば、外部企業への支払いを本社経理が管理している企業があるとする。この場合、外部企業への支払いと同じ感覚で本部財務部が関係会社間の債権債務を把握することは非常に困難だ。債権債務の残高がブラックボックス化することにより、本来は必要のないローンを借りたり、運転資金を確保するためにローンを借りたりした結果、不必要な有利子負債が増加することになる。結果的に利子の支払いが多くなったり、為替リスクを回避したりするといった意図のもと、為替予約などの不要なコストが増加することが考えられる。

また、課税リスクの面からも問題が考えられる。例えば、関係会社間取引において海外子会社との取引状況や損益状況がブラックボックス化している場合、現地税務当局の調査が入った際の悪影響は非常に大きなものになる。万が一申告漏れが摘発された場合、過去も遡及し所得を修正したり、多額の税負担が発生したりするといった事態が発生するだろう。

関係会社間取引を支えるBlackLineの3大機能

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鍋田は、BlackLineはこのような問題に対し価値を提供する“単にネットをゼロにするだけではない”関係会社間取引ソリューションであり、「Go Beyond Zero」を合言葉にしていると胸を張る。では、具体的にBlackLineはどのような機能で価値を提供するのか。鍋田はBlackLineにおける3つの大きな機能を紹介し、その効果を説明する。

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まず紹介されたのは、関係会社間取引の作成機能だ。単純に取引を作成するだけではなく、その前段となる会社間のやり取りを記録するレベルまで含んだ機能を有している。具体的には、合意されたマークアップなどを使って自動的に会社間の取引を作成し、その情報をERPの種類を選ばず連携して仕訳を計上することができるという。これら一連の情報はワークフローと統合されているため、正しいデータ、承認されたデータを各ERPやフロントシステムに反映することが可能だ。

続いて紹介されたのは、取引残高の不整合の調整機能である。この機能では、残高/明細レベルの自動照合を行い、計上漏れや誤りを自動検知した上で、差額を自動調整した仕訳を計上することができる。日常業務の中で整合した形で会社間取引が入るようになると、連結プロセスに際しては債権債務の残高が揃った状態で業務をスタートできるようになる。そのため、決算の早期化にも繋がる魅力をもった機能と言えるだろう。

最後に紹介されたのは、ネッティング・決済機能だ。この機能では、ネッティング可能な会社をシステムのうえで個別に設定できる。なお、一部ネッティングが認められていない国に所在する会社についても、個別に対象外として設定することが可能だ。業務要件に応じてバイラテラルネッティング・マルチラテラルネッティングの両方に対応するほか、関係会社間の債権債務を一覧表示することも可能なため、残高の状況をリアルタイムで把握することにも役立つ。

鍋田は、BlackLineによって関係会社間取引が可視化されるメリットについて「全てのデータがBlackLineの中で管理されることにより、データの一元管理が行われ、グループガバナンスの強化、タックスガバナンスの強化につなげることができる」と語る。

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実際、BlackLineを導入した企業を見ると、業界や所在地を問わず目覚ましい効果を挙げた例が多数見受けられる。先行事例同様、グローバルな発展を目指す国内企業にとって、BlackLineは心強いパートナーになってくれることだろう。

BeyondTheBlack TOKYO 2022 の3つの基調講演・エグゼクティブ対談をまとめた
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