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欧米と乖離ある明細突合ー入金消込の自動化率を下げる日本固有の課題|ブログ

製品経理トレンドBlackLine

マッチングとは、2種類の明細ベースのデータを突合するプロセスです。日常の経理業務や決算業務において、明細同士を突き合わせてのチェックや確認、消込作業のプロセスは数多く存在すると考えられます。例えば、会計システムに伝票を手入力した場合の請求書等の元データ(紙もしくは電子データ)との入力項目チェックや、出張時の事前申請データと事後の経費精算データの突合チェック、社外から送られてきた残高確認用の明細データと自社の債権/債務データとの突合チェック、連結決算時のグループ会社間の債権債務突合チェック、挙げればキリがありません。これら突合チェックの業務を行うのに、人力あるいはシステムを利用して「マッチング」を実施しているわけですが、ここでは入金消込のマッチングをテーマに、その課題とソリューションについて考察してみたいと思います。

債権管理・入金消込における日本企業の課題

買掛金や未払金といった債務管理の場合、承認されて債務に計上されているものは基本そのまま支払って終わり(乱暴な言い方ですが)、となる場合が多いと考えますが、売掛金や未収金等の債権管理の場合は、入金が確認された時点で、明細の消込という作業が必要となります。業種や事業規模にもよりますが、企業によってはこの消込の作業が十分に自動化されず、今なお多くの人手をかけて処理するケースも少なくありません。SAPに代表されるERP製品ではこの消込処理を自動化する機能が標準的に搭載されており、実際に多くのグローバル企業はそれにより高い適合率・自動化率を叩き出しています。

一方、日本企業においては、標準の機能やロジックでは十分な適合率を出せず、アドオン開発を駆使して何とか数値を高めようと努力しているものの、消し込めなかったものについての問い合わせ確認や調査・分析、そして後処理に多くの人手を割かざるを得ない、というケースが多いのが現状です。私見ですが、欧米の大企業で突合率90%超えるレベルまで自動化できている企業もある一方、日本では50%以下の企業も少なくないのではと推測しています。この差はどうして生まれるのでしょうか?

入金消込の自動化を阻む日本企業特有の事情

日本での入金消込率が上がりにくい背景と理由について、大きく3つの要素があげられると考えます。

  1. 月次締め請求の商慣習
  2. 得意先や振込人名の複雑な名寄せパターン
  3. 振込手数料を差し引いた振込処理

1点目として、欧米では都度請求が一般であるのに対して、日本では月次等のタイミングで締めてまとめて請求する、という商慣習があります。この場合、複数明細に分かれている債権に対して入金が一本で行われると、入金対債権で1対多の消込が必要となります。入金が複数回に渡って行われれば、多対多の消込となります。どの項目をキーに明細を括り、どんなルールに基づいて対象とぶつけるか、設定が複雑になりがちです。

2点目として、日本語の場合、法人名や団体名の表記の仕方が多種多様で、債権側に登録されている名称と入金データに含まれる名称を合わせるのにパターンが複雑化する傾向があります。例えば、「株式会社」を例にとって考えると、「前株・後株」に加えて、支社名/支店名等が後ろに付けば「○○株式会社△△支店」と「中株」になるケースもあります。また、「(株)」という表記、あるいは「株式会社」自体を省略するケースもあり得ます。さらにはカタカナ表記の場合、前後に「カ)」と付ける場合もあれば、「カ.」の場合もあります。このように、日本語では名寄せパターンが多種多様になる傾向があります。

3点目として、日本の民法上は金融機関での振込手数料は本来振込人側で負担する、ということになっていますが、実際には、差し引いた形で入金されるケースも少なくありません。その場合、債権金額と入金額の間に手数料分のズレが生じるため、「金額不一致」として消込がされなくなってしまいます。

BlackLineのマッチング機能による自動消込

日本固有の課題・背景として3点あげさせていただきましたが、ビジネスの現場ではこれらの要素が掛け合わされた中で日々膨大なトランザクションが発生しており、その中で自動突合率を上げるのは並大抵ではありません。BlackLineのマッチング機能では、突合のための豊富な設定メニューが用意されており、例えば次のようなことが可能です。

  1. 明細の自動グルーピング
  2. 自動名寄せ
  3. 差分の自動判定及び自動仕訳処理といった技術を活用した突合・自動処理

また、ノーコードでユーザ自身が突合ルールをメンテナンスしていくということもできますので、例えば現状5割程度の自動消込率にとどまっているケースでも、日常の業務を回しながら80%・90%とさらなる高みを目指していくということも十分に可能です。

こうした取り組みをより多くの日本企業の皆様とご一緒させていただくことで、グローバル市場での日本企業の競争力を高めていく一助になればと願っています。

<ライター>

nakahara.jpgブラックライン株式会社
ソリューションコンサルティング部
部長
中原 啓樹