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財務諸表の信頼性を高める「差異分析」とは

会計監査における分析の重要性

会計監査というと証憑突合や記録や文書の閲覧など、事務手続のチェック屋というイメージを持たれている方もいると思います。しかし、限られた監査時間の中で、すべての取引をチェックすることは難しく、また、サンプルテストにのみ依存する形で財務諸表に対する信頼性を検証することは不可能なため、様々な分析を駆使して財務諸表に潜む不正や誤謬のリスクを効率的に検知しています(※)。

会計事務所出身の弊社社員は自身の経験を振り返り「伝票チェックによって見つけた誤りよりも分析をきっかけにして見つけた誤りの方が多く、影響額も大きかった。従来の伝票チェックの手続を軽視するわけではないが、分析的手続の良し悪しが監査品質や業務の効率性に非常に大きな影響を及ぼしていた」とコメントしています。

※会計監査における分析的手続き https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/keyword/post-96.html

BlackLineの差異分析

BlackLineではこのように財務諸表に対する信頼性を評価することを主目的とした分析のために、差異分析というモジュールが用意されています。

このモジュールの特徴は、

  • 様々な切り口による勘定残高のグラフ表示や一覧表示
  • ルールや閾値の設定に基づく異常値の検知とアラート
  • APIを活用したBI連携

などのいわゆるレポーティングだけでなく、

  • 分析結果(差異理由)および関連証憑の記録と参照
  • 差異理由の調査や分析結果の承認など、レポーティングの後続プロセスにおけるワークフローの設定
  • チームメンバーや上長、会計士等とのコミュニケーション機能

など、決算や会計監査の中で財務諸表の信頼性の評価という視点での業務プロセスに必要な機能を備えているという点にあります。

差異分析2.png

※画像をクリックして拡大頂けます

差異分析による監査対応効率化の効果

この差異分析の特徴を活かした監査対応の効率化プロジェクトがあるお客様で進められていますので、BlackLine導入前と導入後のおおまかなプロセスと効果についてご紹介します。

BlackLine導入前

  • 決算の中で各担当者は担当する勘定科目の増減分析を行い、共有サーバにある1つのExcelファイルに記録する
  • 上長はExcelの内容を確認して問題なければ承認する(決算手続の完了)
  • 監査人に見せるためにExcelの体裁を整える
  • 監査人はExcelを見て、質問をする
  • 質問に対する分析結果を監査人に伝え、その内容を共有サーバのExcelに記録する
  • 取締役会への報告のために、再度増減コメントを編集して体裁を整える

導入後

  • 決算の中で各担当者は増減分析の結果をBlacklineに記録する
  • 上長はBlackLineの内容を確認して問題なければ承認する(決算手続の完了)
  • 監査人はBlackLineを見て、BlackLine上で質問をする
  • 監査人の質問に対する回答をBlackLine上で行う
  • 取締役会への報告のために、再度増減コメントを編集して体裁を整える

期待効果

  • 各担当者が分析結果を共有のExcelに記録する際に発生していた待ち時間やデグレの解消
  • 分析結果の印刷や押印などの廃止による承認プロセスの簡素化とスピード化
  • 監査人に見せるためのExcelの体裁を整える作業の廃止
  • 分析結果がリアルタイムで更新され、監査人が必要なタイミングでチェックが可能に。
  • 分析結果への質問対応や打合せで別途時間を設ける必要がなくなり、かつ、コミュニケーションの記録も同時に保存

派生効果

  • 過去資料へのアクセスが容易になり、分析の品質向上や効率化ができる
  • 担当が変更する際の引継が容易になる
  • 分析対象の深さの目線を監査人とそろえることができる
  • 決算業務が忙しいタイミングでのExcelの体裁を整える作業がなくなったため、決算の他タスクへの注力が可能となり、決算の品質向上と早期化にも好影響
  • Excelの体裁を整える行為は実は過剰品質だったという気づき

差異分析は経理担当者の見極め力を向上させる

これまで財務数値の分析というと収益性分析や安全性分析のような業績の評価という文脈で語られることがほとんどで、多くの経理財務部門の方にとって財務諸表の信頼性の評価としての分析という観点はまだ馴染みは薄いかもしれませんが、決算における財務数値の分析は経理担当者の事実を見極める力を向上させ、従来の管理会計的な広い視野や視点に基づく多面的な分析スキルを、より本質的なものへとレベルアップさせるといった効果も期待されます。

経理財務部門が経営の羅針盤としての機能を高めるためも、ぜひ、BlackLineの差異分析モジュールを使い倒してください。

<ライター>

yakata.jpgブラックライン株式会社
ファイナンシャルエキスパート
屋形 俊哉

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