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働き方改革やリモート対応。経理業務改革を遅らせるデジタル化への誤解とは|ブログ

トレンド経理

「もっとAIの活用を!」「これからの時代はDXが必要だ!」と半ばバズワード的に、会社の上の人から・知人から・世間から、追い立てられるかのような風潮がある今日この頃、ただ「経理」については対象外!と言わんばかりの冷めた反応…なんてご経験はないでしょうか?あるいは逆に、「経理」に携わる方自身が、(実際に意思表明するかどうかはともかく)「うちは関係ないから」と強く思い込んでいる、なんてこともあるかもしれません。最新のITテクノロジーは、グローバル企業や著名な大企業の、先端的な技術を扱っている製造現場や研究部門でやればいいこと・やるべきことであって、それはバックオフィス部門ましてや「経理部門」などで取り上げるものではない…そんなイメージが、こと日本においては根強くあるように思います。

経理部門でデジタル化は「NG」?

私自身、長年ソフトウェア提案の仕事を通じ、経理部門の方々はもちろん、経理システムに関わる情シス部門の方々や経営層の方々からお話を伺う機会が多くありました。そこで、「経理のデジタル化」についての下記のような後ろ向き・否定的なコメントを度々耳にしたのも事実です。

「業務内容が複雑で、専門性が高いから無理」
「経理のエキスパートを一人雇った方が(システム買うより)安い」
「売上に寄与するわけではないし、一人の業務を完全に置き換えられるわけではないからコスト削減も難しい」
「間違いが許されない領域なので、AIなんか使えるわけがない」
「イレギュラーなケースも多いから標準化や自動化はできない」
「シビアな世界で高度なセキュリティが求められる経理業務はリモートに向いてない」

 …などなど。あげたらキリがありません。

ここ最近は、働き方改革やコロナ対応などもあって、押印ルールの見直しやリモート会議、AI/OCRでの請求書読み取り等、少しずつですが経理部門にもデジタル化の動きが見られるようになりました。しかし裏を返せば、まだ一部の動きが始まったばかりで、経理部門で劇的な変化や大きな効果をもたらすレベルまで至ってない、ともいえます。

「デジタル化」についての大きな誤解

前述の、私が遭遇したコメントの中には、「デジタル(=システム)を取る」のか、「アナログ(=人)のままなのか」の二者択一的な考え方・捉え方が透けて見えるように思います。AIやロボットに人の仕事が奪われる、というよく耳にする主張です。例えば、経理部の方からすると、「人にしかできない複雑なこの仕事をITなんかにやらせてたまるか」になりますし、経営層の方からすると「システム入れたって結局人切れないんじゃコスト高でしょ」といったところでしょうか。ここに、大きな誤解・認識のズレがあるのではと個人的には感じています。「デジタル」をうまく取り入れ一人あたりの定型的・定常的な業務を減らすことができれば、経理部の方からすると「仕事が楽になる(もちろん給料は減らない)」、人にしかできない業務や領域にリソースをより多く向けられば、経営層の方からすると「分析やサービスのレベルが上がる(そして人的コストも抑えられる)」、そんなことも十分に可能なはずです。人を切らずにコスト削減ができ、従業員の幸福度が上がることで企業としてのブランド力向上につながる、そんな流れを「経理発」のデジタル化の取り組みから作ることも、決して夢物語ではないと思います。

年間60万ドルのコスト削減につなげたコカ・コーラ社の取り組み

では「経理発」のデジタル化、どう取り組みを始めればよいのか。ここで、コカ・コーラ社の事例をご紹介します。世界200カ国以上にビジネスを展開する同社では、5万を超える勘定科目が複数システムに渡って存在し、その照合/確認作業に日常的に多くの人がリソースを割いていました。専門に担当を置いているわけではなく、個々人が日常業務の一環として行っているこの作業に、コカ・コーラ社は着目しました。800人強の要員が、1人あたり毎日ざっと1時間ほどこの作業に取られていると見積もり、ブラックラインのソリューションを活用して、作業の5割強を自動化することに成功しました。また作業を標準化したことで、約4割のタスクをシェアド化することにより、導入前に比べて年間60万ドル、日本円にして約6,200万円のコスト削減につながりました。

経理部門が目指すゴールとは

コカ・コーラ社の例では、個々の従業員は空いたリソースを、分析や報告書作成等の作成に当てることができるようになったそうです。デジタル化の先にある経理部門の未来がどんな姿なのかを考える、一つのヒントにはならないでしょうか?「デジタルな経理部門」とは、一部の業務をシステムに委ねていく過程で次なる良い流れや変化につながって、会社にも個人にも良い形でのリターンがある、そして次の取り組みをまた考え始める…そんな好循環が根付いた組織なのかもしれません。そこでは、「経理部員vsデジタル」の構図ではなく、「経理部員&デジタル=会社も人もHappy」となる未来があるのだと、私は信じています。

<ライター>

nakahara.jpgブラックライン株式会社
ソリューションコンサルティング部
部長
中原 啓樹