BLACKLINE

ブログ

ホーム > ブログ > 若い世代が「この会社の経理部でよかった」と思える組織を作る

若い世代が「この会社の経理部でよかった」と思える組織を作る

トレンド 経理

人材不足の経理部門に必要な、仕事の “醍醐味”とは

今から約30年以上前、私は大手ハイテクメーカーに新卒で入社して経理部門に配属されました。その後ERPベンダーへ転職し他社の経理部門の様子を知り、私はその会社の経理部で本当によかったと思うようになりました。昨今、経理人材不足に悩まされ、さらに経理を取り巻く環境は複雑化し、目の前の業務をこなすことに忙殺されている、という方は少なくないと思います。だからこそ今必要なのは、未来を支える若い世代に「この会社の経理部で良かった」と感じてもらい、長くやりがいをもって働いてもらうことではないでしょうか。今日はそんな経理部門を作るには何が必要か、私自身の経験からご紹介します。

やりがいのある経理部の特徴

私が在籍していた当時のその会社の経理部門の特徴として、以下の3つが上げられます。

1)経理部の担当範囲が広い

経理部の担当範囲は財務会計だけという会社も少なくない中、その会社の経理部門は財務会計と管理会計を両輪とし、その他に経理システムの企画と運用支援、子会社を含めた経理人材教育の企画など、幅広く担当しました。そして、私は工場での原価管理に始まり、工場を会計単位とした財務会計。事業部担当経理としての管理会計、出向先子会社での財務会計全般、本社での経理システムの運用やグループ会社への経理システム導入など、様々な業務を経験しました。

2)経理部が頼りにされている

経理部は役員会等への業績報告だけでなく、事業部支援として、会計数値に基づいたシナリオづくりや、事業部門間の調整、時には辛辣なアドバイスなど、日ごろから事業部門との関わりが深く、また、経理部門から事業企画への経理部員のレンタル移籍なども行われるほど、信頼されていました。

3)経理財務でのIT活用に力を入れている

1990年代の頃から経費精算のワークフローや財務部のCMSが導入され、電子帳簿保存法も適用申請するなど、経理財務のIT活用の最先端を体験することができました。

経理部だからこその経験

自身の経験を踏まえ、まだ経理としてのキャリアが比較的浅い方にもこんな経験があれば経理のおもしろさを感じることができるのでは、と思った場面を3つご紹介します。

シーン1:社長との交流 ~会社の経営層を身近に感じる~

子会社への出向時の話。それまで技術畑を歩んできた社長は「社長になったからには財務諸表の見方くらい知らねば」と、私を社長室に読んでB/Sの勘定科目の意味について質問するようになりました。ビジネスパーソンとして認められているような、そんな感覚を覚えました。

シーン2:勘定残高の照合 ~システムを通じて会計を知る~

経理システムの企画・運用部門にいた当時、経理システムは日次バッチでデータ更新され、総勘定DBと補助簿DBの整合性チェックを自動で行っていました。その中で、月に数件程度、不整合が発生することがあり、その不整合の原因となっているデータを特定することが業務のひとつでした。大量の明細データの中から勘定科目と金額だけを頼りに、不整合のデータを特定する作業は、システムの中で1つの取引からどんな仕訳が展開され、どのデータベース(帳簿)に記帳されるのかを簿記の手順の逆から追うことで、簿記や会計の基礎を、楽しみながら学びました。

シーン3:予算編成 ~事業支援のシナリオ作りの基礎を学ぶ~

P/LとB/Sの両方の月次予算で作っていると、収支不足を発生させないためのポイントが表計算ソフトの上で数字を扱っているだけでよくわかります。売上の確保と資金のバランスを考慮した月々の棚卸資産の残高も重要です。そして、予算案の最終化に向けた各部門との調整も欠かせません。あそこを押せばここがこうなる、ここを抑えたらこっちはこうなる、といったことを予算業務の中で知ることが出来ました。

まとめ~経理の醍醐味~

経理には地道な作業の繰り返しのようなイメージや、出来て当たり前のようなところもあります。しかし簿記や会計、税務の専門性が身につくことに加え、会社あるいは事業というくくりで、会計数値を通して俯瞰して見ることが出来、何を変えれば状況が改善するかシナリオを描ける醍醐味があります。

ERPの登場で事業の現場での取引や活動と会計は正確にタイムリーに連携し、ERPの周りでは様々なクラウドサービスによって業務部門の利便性も向上し、事業全体を見るための道具は飛躍的に進歩しています。経理に携わるみなさんが経理部員であることの醍醐味を経験し、より充実感を持って日々の仕事に取組めるよう、ベンダーの立場から少しでも後押しができればと考えています。

<ライター>

yakata.jpgブラックライン株式会社
ファイナンシャルエキスパート
屋形 俊哉