集約だけで終わらせない 経理財務シェアードサービスが真価を発揮するには
標準化が進まないシェアードサービス会社の実情
先日、あるシェアードサービス会社の役員の方から、なかなか進まない業務の標準化について以下のようなコメント(抜粋)がありました。
「グループ各社の経理業務をシェアードサービスに集約したが、移管した業務範囲は各社各様。現場から一部の業務を移管したことによる不効率性(分割損)も発生している。移管前と比べて人員も削減しており、現場は分割損を吸収しながら現業をこなすのに精一杯。グループ会社の企業規模も様々なので、すべての会社が共通のERPで業務を行っているわけではない。そんな状態で、各社の担当者が月に数回集まって相談して標準化が進むと思いますか?」
シェアードサービス会社設立の目的として業務の効率化によるコスト削減(間接費率の低減)と業務の高度化によるサービス品質の向上(高付加価値化)を掲げる企業がほとんどであるにもかかわらず、この会社のように標準化が思うように進まず、苦労されている企業は意外と多いのではないでしょうか。
システムの共通化は標準化に必須、だが・・・
シェアードサービスを成功させるためには業務の標準化が必須です。標準化の要素として、ルール、勘定科目のコード体系、業務プロセスがあり、シェアードサービスのように一人の担当者が複数の会社の業務をこなすとなれば、オペレーションレベルまでの標準化が望まれます。
ルールやコード体系であれば、システムが完全に共通化されていなくても実現可能ですが、業務プロセスやオペレーションとなるとシステムの共通化が必要です。シェアードサービスで成功していると言われる会社の事例を見ても、多くの場合、共通の会計システムとしてERPが導入されています。
とはいえ、冒頭のコメントにもあるようにグループ会社の規模の大小や、近年のM&A等によるグループ会社の構成の変化がある中で、シェアードサービスの対象企業の全てに共通のERPを適用するにはコストや時間、親会社の強力なリーダーシップなど、超えるべきハードルは少なくありません。
既存システムを残したまま標準化を進めるには
そこで我々からの提案です。BlackLineを経理シェアードサービスのオペレーション基盤として利用してみてはいかがでしょうか。
BlackLineは決算業務を中心とした経理オペレーションの標準化を促進させるソリューションで、その特長のひとつとして「会計システムと組み合わせて使う」ことがあげられますが、それは「既存の会計システムを残したまま、経理オペレーションの標準化を進めることができる」とも言えます。
Blacklineの各モジュールの機能には売掛金の入金消込など決算以外の業務の標準化や自動化に資するポイントがいくつかあり、単体決算に限らず連結決算においても標準化に貢献するポイントがあります。詳細についてはそれぞれに深堀したブログ記事(※)がありますので、ぜひご一読下さい。
※関連ブログ
- 今、あえて「伝票入力」を考える~令和に求められる伝票入力の要件と未来
- 欧米と乖離ある明細突合-入金消込の自動化率を下げる日本固有の課題
- 連結システムと何が違うのか?BlackLineで連結業務が変わる3つのポイント
また、BlackLineを活用した業務の標準化について、前述のシェアードサービス会社の役員の方はBlackLineをご覧になった上でこんなことも仰っています。
「みんなからよく見えるクラウド上に業務プロセスを構築して、情報を一元管理すると、構築すべき対象が明確になるので、前向きに取り組めるようになると思います。」
シェアードサービスの効率化は存在意義を揺るがす重要テーマ
シェアードサービス会社における業務の効率化は存在意義にもかかわる大きなテーマです。シェアードサービスという手法が広まり始めた当初は“余剰人員の削減“といった側面もありましたが、今では経理人材が不足する中、限られたリソースの有効活用という観点でも効率化は喫緊かつ必達の課題です。
一方でシェアードサービスに成功している先進企業はさらなる効率化を推し進めながら、業務の高度化(下図Ⅱ及びⅢの機能の強化)にも取り組まれています。それは、本社のリソースをコーポレート機能の強化(下図Ⅳへの昇華)に集中させることに加え、シェアードサービス会社で働く人のワークエンゲージメントの(≒自社ビジネスに対する貢献の手応え)の向上という効果も期待されます。
シェアードサービス成功の必須条件である標準化。そして、標準化の必要条件であるシステムの共通化。BlackLineにはシステム共通化の実現のハードルを下げるアーキテクチャーと、業務の標準化を促進するソリューションがあります。実現に向けたロードマップの作成と推進をお手伝いするパートナーや、先人の経験からの学びがあります。経理財務のシェアードサービスにこそBlackLine。BlackLineを知れば知るほど、その想いは強くなります。
最後に
その他、シェアードサービスに関連する資料や動画もございますので、こちらも合わせてぜひご覧ください。
■オンデマンド動画:経理シェアードサービスの最新トレンド ~BlackLineが提唱する“デジタルシェアードサービスとは”~(所用時間:約20分)
■お役立ち資料:経理シェアードサービスの業務標準化をさらに進めるために
<ライター>