【完全解説版】経理業務変革プラットフォームBlackLineとは?
日々多くの経理部門の皆様とお話させて頂く中で、「BlackLineって名前はよく聞くけど、結局何なの?」という質問を大変よく頂戴します。あるユーザー様は「自社の経理DXの基盤です」と称したり、「決算の痒い所に手が届くツール」と仰って頂くこともあります。本ブログではなぜ世界中、そして日本の先進企業がBlackLineを採用しているのか、その魅力を包括的にお伝えしたいと思いますのでご一読下さい。
- 一言でいうとBlackLineとは何か
- BlackLineが代替する手作業の領域
- 自動化により大幅効率アップが可能な3つの代表例
- 決算品質の向上には、どう寄与するか
- 20年前に経理出身者たちが開発した製品
一言でいうとBlackLineとは何か
一言でいうと、BlackLineは決算業務をデジタル化し 、“業務の効率と品質を両方向上させる"クラウドソリューション"です。業務がデジタル化されると、業務の可視化→標準化→自動化が実現でき、統制強化に繋がります。現在、多くのエクセル・紙で行っている決算手続きは、BlackLineを利用することで劇的に改善されます。私は前職で会計システムパッケージを販売していましたが、会計システムが経理データのインフラであるとすると、BlackLineは経理業務のインフラになると考えています。
ある会社様での導入時のキックオフで、経理部長様からこんなお話がありました。「経理部に入ってからというもの、私は今まで一度も4月の桜の花見に行ったことがない。BlackLineで業務を抜本的に効率化させ、皆で花見に行こう」と宣言されました。BlackLine稼働後、見事、経理部門での4月の花見は実現されました。
花王様では決算タスク管理、証跡管理、承認ワークフローを全てBlackLine上で行うことで、デジタル決算を実現されています。また、大規模なペーパレス化/リモートワークの促進も実現されており、BlackLine を用いて決算処理の30%の自動化を目指されています。また応用例としては、「紙も会議室も使わない、リモート監査」を実現されているケースもあります。セゾン情報システムズ様では、BlackLine を利用した完全リモート監査を実現され、大量の紙と監査工数を削減されました。
BlackLineが代替する手作業の領域
では、BlackLineがカバーしている領域について、概略をご紹介いたします。BlackLineは、会計システムがカバーしていない、各種の手作業を包括的に改善します。
上記はBlackLineがカバーしている領域の概念図です。会計システムのように日々のトランザクションを管理している「レコード領域」と、決算開示していく「レポート領域」の間にある業務が対象となります。その為、BlackLineは常に会計システムと自動連携し、仕訳データを受けとっています。
では具体的に何をするか。例えば期中では、BlackLineで売掛金の入金消込などの自動処理します。決算期には、BlackLineで各勘定残高の確認、補助元帳の整理、仮勘定整理、経過勘定等の決算整理仕訳の自動生成など、決算を締める作業をBlackLineで行います。もちろん、決算を締める過程で発生する仕訳も、BlackLineにて生成し会計システムに返していきます。
通常これらの作業は、エクセル・紙を介しながら、複数のシステムを跨いで行うことが一般的だと思います。BlackLineは決算作業を包括的にカバーし、会計システムの単体パッケージの数値確定まで管理できる為、あるユーザー様では「BlackLineを開けば、決算が締まる」を合言葉に、毎月毎四半期の決算締め作業を行われています。
自動化により大幅効率アップが可能な3つの代表例
前述のように、BlackLineは会計システムと共存し、経理業務を自動化させます。BlackLineによる自動化可能な領域は多くありますが、代表的な領域を3つお伝えします。
一つ目は、決算時に必ず行う各勘定科目の残高確認作業の自動化です。
決算手続きの最初のマイルストーンは合計残高試算表の確定です。確定の為に、各勘定科目残高があっているかを様々なデータソースと突合させ確認していく作業は決算時の最初のステップです。現在エクセルや紙で行っているケースが多いと思いますが、これらの作業をBlackLineは自動化します。そのため、BlackLineを導入すると「正しくない可能性がある」勘定科目の残高確認から始められる為、大幅な工数削減が可能になります。(詳細はこちらのブログにて参照下さい)
二つ目は、明細突合(マッチング)作業の自動化です。いわゆる消込業務の自動化です。
決算時に限らず、例えば入金消込、仮勘定の明細消込、また会社間取引の明細突合や、一部の企業で行われているような事前照合作業(月末に顧客から受領する支払予定明細と自社が認識している入金予定債権明細の突合)でも利用されます。また自動仕訳機能と組み合わせると、会社間取引に関しては内部取引の突合も 自動化できます。この仕組みは、既に会計システムや連結システム等で構築されている会社様もいらっしゃいますが、BlackLineは「マッチング率を飛躍的に向上させる」ことが出来ます。
三つ目は、会計システムでカバーしていない自動仕訳の生成です。
例えば決算期に行う前払費用の費用化仕訳はBlackLineにて自動化されます。もちろん、上述の「残高確認作業」と「明細マッチング作業」の後に必要となる修正仕訳も一部自動化されます。
これらの改善を積み重ねることで、自動化による大幅な効率アップが実現されます。
決算品質の向上には、どう寄与するか
BlackLineの神髄は、自動化だけでなく、「決算手続きを全て可視化し、プロセス標準化させること」にあります。経理部内でジョブローテーションがあっても、決算数値の品質担保が可能になります。またBlackLineを使って決算を回せば回すほど、決算業務自体の品質は向上します。なぜか。BlackLineでは、決算に係るタスクを一元管理します。BlackLine上で定義したタスクを全て完了させることで決算が締まりますが、BlackLineにて決算を締めることで各タスクの重複やムダ、またスタックポイントが可視化されます。可視化の結果、改善すべきタスク、フローを改善することで、継続的な業務の整流化に繋げることができます。最近では、シェアードサービスの基盤としてご利用頂くことも多いです。
20年前に経理出身者たちが開発した製品
数十年前、各社が一斉にERPや会計パッケージを導入し、結果として経理業務が大きく変わりました。BlackLineはそのような「働き方を変える」ポテンシャルを秘めているソリューションです。海外では既に市民権を得ており、アメリカの大企業(Fortune50)の約60%は既にBlackLineユーザーです。BlackLineの開発者の半数以上は、過去に経理業務に携わったことがあるメンバーで構成されており、「非効率な経理業務を徹底的に排除」することを目的に約20年前に開発をスタートし、今でも日々お客様の声を元に毎年機能拡張しています。
BlackLineは決算業務をデジタル化し、業務の効率と品質を両方向上させ、経理部門の皆様の働き方を変えるソリューションです。少しでもご興味頂けるようでしたら、是非お声掛け下さいませ。
<ライター>